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RAID10(0+1) SQL Server のデータ復旧事例


現象:RAID10(0+1) が Degraded で起動しない
OS:Windows XP + SQL Server
メーカー:Epson Endeavor
原因:ハードディスク障害
フラグ:データ復旧成功



・状況について

お客様談:RAID10(0+1) ポート2のハードディスクが故障し、メーカーより送られてきたハードディスクに交換した。特に問題なく動作していた。その他 3台のハードディスクをメンテナンス(予防交換)した時にトラブルが発生。ポート0を交換後した際に Windows エラーで起動せず。しかし、元のハードディスクに戻すと正常起動した。次にポート1を交換したところこちらも Windows エラーで起動せず。元のハードディスクに戻すが、Unknown Disk になってしまい RAID10(0+1) のボリュームが Degraded になってしまった。ポート1は再度新旧差し替えたが復活できなかった。部門で使っている SQL Server と共有フォルダ。


・RAID10(0+1) が Degraded の原因と注意点

RAID10(0+1) とは RAID0 をミラーリングした RAID0 × 2 構成です。そして画面上「Volume0」と一つのボリュームになっており構成が不明ですが、解析したところポートの0と2でひとつの RAID0。ポートの1と3でミラーリングの RAID0 でした。

したがって、ポート0と2が生きていれば再び起動しますが、ポート2を解析したところリビルドが完了していない状態でした(ポート2は最初に交換)。つまりポートの0と2は2がリビルド中。ポートの1と3は3でエラーのため起動しない状況でした。

補足ですが、ポート0と3とクロスして接続しても起動することはできません。あくまでも RAID0 × 2 構成、こちらの RAID の場合は、ポート0+2 Or ポート1+3 の組み合わせのみになります。

また「次にポート1を交換したところこちらも Windows エラーで起動せず。元のハードディスクに戻すが、Unknown Disk …」とあります。ハードディスクを戻せば元どおりになりますが、搭載されているすべてのハードディスクにセクタ不良がありました。気付かないところでどんどん劣化が進んでいる状況で、RAID崩壊は時間の問題でした。

ちなみにセクタ不良とはハードディスクの記録面の故障です。記録面に障害があれば読み出すことも書き込むこともできません。ただし記録面全面が一気に壊れることはありません。部分的な故障が大半です。

注意点としては、RAID マシンに搭載されているハードディスクはロットが同じケースがほとんどで、つまり同時期に生産されたハードディスクのため、今回のように同時に壊れることも多々あります。RAID1 や RAID5 、RAID10 は理論上故障に強いのですが、同時にディスクが壊れてしまってはデータを保護できません。このように搭載されているハードディスクが全滅することもありますので、どの RAID 構成であってもバックアップをとってデータを保護することが重要です。

なお、バックアップについては、自動化できるソフトウェアもありますのでご利用ください。当社ではバックアップシステムの構築サービスも行っておりますのでぜひお声掛けください。


・SQL Server のデータ復旧について

SQL Server のデータ復旧はテーブルを取り出すだけでは復旧できません。最大の難所です。ちなみにバックアップファイルがあるならリストアで復活します。

今回は作業用ハードディスクを2つ準備し、ポート0+2とポート1+3で Windows から設定値からすべてを救出したところ、ポート1+3を救出した作業用ハードディスクで Windows が再び起動するようになりました。保存されていた共有フォルダも SQL Server も Windows もすべて正常に戻せました。

最後に新品ハードディスク4台で RAID10(0+1) のボリュームを作成し、ポート1+3を救出した作業用ハードディスクからすべてを移行しました。お客様にご確認いただき SQL Server も無事OKをいただきました。

手が加えられていない RAID 障害であれば、救出率も高くさらに安くできます。ボロボロの状態になってしまうと作業時間がかかりさらに救出率が下がることが予想されます。RAID 障害でお困りの際はお早めにご依頼ください。

作業期間:2.5日。データ復旧と仮修理。
コメントを付けているため、すべての事例を紹介できませんが、もしお困りの際は実績豊富な当社へご相談ください! 関東エリアは出張作業もやってます!


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