現象:RAID0 が Failed で起動時に「Operating System not found」エラー
OS:Windows7
メーカー:Sony
原因:RAIDパラメータ障害(論理障害)
フラグ:データ復旧成功
状況について
お客様談:電源投入時に「Operating System not found」エラーが表示される。システム部門に見てもらうものの RAID0 が Fail になっており、さらに SSD のため研究データを断念するしかなかった。なお、RAID0 とは複数のディスクを1つとして扱うため並行処理ができます。並行処理のためスピードが格段に速くなる反面で Fail が起きるとトラブル発生前に戻せる仕組みがありません。この他の RAID には 1 と 5 があり、そちらはトラブル発生前に戻せる仕組みが備わっています。RAID0 は安全装置のないスピードを追求した仕様といえるでしょう。
・RAID0 が Fail の原因と注意点
Operating System not found が表示されるのは RAID0 のボリュームにエラーがありディスクにアクセスできないためです。根本の問題は RAID0 のエラーにあります。そして本丸の RAID0 のエラーについてです。写真のとおり 60GB の SSD が 4基ありますのでトータル 240GB のディスクになります。ところが Volume の項目を見ますと約360GB(119GB+238GB)と 240GB より大きく誤認識しています。
一見すると Member Disk(0)が2つのディスクで 240GB(2台のため120GBが最大)の表示になっていますので、ここが原因の感じがします。そうであれば 120GB + 120GB の構成です。もちろん Member Disk(1)は Volume1 であり正常な表示がされています。もともと 120GB+120GB であった裏付けとなるでしょう。
ところが、このモデルは 240GB の1つのボリュームが出荷時の構成であり、変更もされていません。実は正常な表示がされている Volume1(119GB)がトラブルの原因なのです。つまり
Member Disk(0)のみで、240GB の1つの Volume0 が表示されているのが本来の姿なのです。
ここで注意したいのは RAID0 のボリュームを削除してしまったり、とにかく手を加えてしまうことです。どの RAID 構成であっても、うかつな設定の変更は致命傷を与えてしまうことがあります。RAID0 はもともと難易度が高いため、致命傷を与えてしまうと救出率はグンと下がります。それでは RAID0 をどのように復旧するのかご説明します。
・データ復旧方法
上記の注意点のように RAID0 のボリューム変更は致命傷を与えてしまう可能性があります。したがって準備段階としましては、クローンのディスクを作成し、そちらで作業を行います。もし失敗しても、再びマスターからクローンを作成してトライすれば良いのです。失敗のリスクが大きいため、重要なのは元に戻して再作業できる環境を作るということです。
*ちなみにこのモデルは基盤むき出しの SSD が使われており、作業環境が整っていないと作業が困難です。
なお、このトラブルは正常に表示されている Volume1(119GB)が原因です。また RAID0 なので保存されていくディスクの順番も大切です。ディスク1番から4番に向かって仮想でRAID0(240GB)を構築し、今度は 240GB のクローンディスクを作成します。あとはデータを再構築してあげれば取り出すことができます。
作業期間:1日間。データ復旧とリカバリ作業。
備考:他社さんで32万円という見積もりだったため当社に依頼される。このように手が加えられていない RAID 障害であれば、救出率も高くさらに安くできます。ボロボロの状態になってしまうと作業時間がかかり当社でも高額でさらに救出率が下がることが予想されます。RAID 障害でお困りの際はお早めにご依頼ください。
コメントを付けているため、すべての事例を紹介できませんが、もしお困りの際は実績豊富な当社へご相談ください!
>>データ復旧サービスのご案内
・ Windows、Mac、外付HDD、USBメモリ、ビデオカメラなどのデータ復旧
・ Server・RAID・NAS、SQL Server、業務用システムなどのデータ復旧