現象:RAID0 崩壊「Error Occurred」が表示されパソコンが黒い画面で停止する
OS:Windows Vista
メーカー:SONY VAIO VGX-XL1S(RAID0モデル)
原因:ハードディスク故障(セクタ不良)
フラグ:データ復旧成功
・状況について
お客様談:パソコン使用中にフリーズし、電源ボタンを長押しして強制的に終了した。再度起動させると、いままで見たことのない画面(RAID BIOS画面)が数秒表示され、次の黒い画面で停止する。何回か電源を入れたが改善せず。最近、フリーズすることが多々あり気になっていた…・補足
この「メーカーロゴのあと黒い画面で停止する」は、Windows やドライバといったプログラムの障害ではありません。ハードディスクの設定値に不整合が起きていたり、消失した場合に発生します。このトラブルの概要については、「 黒い画面 」で停止して、パソコンが起動しないときの対処法 で確認してください。当社ホームページのコラムで解説しています。ちなみにですが、Windows やドライバといったプログラムの障害ではありませんので、Windows7 でも Vista でも、XP でも起こるトラブルです。
また RAID0 とは複数のディスクを1つとして扱うため並行処理ができます。並行処理のためスピードが格段に速くなる反面で Fail が起きるとトラブル発生前に戻せる仕組みがありません。この他の RAID には 1 と 5 があり、そちらはトラブル発生前に戻せる仕組みが備わっています。RAID0 は安全装置のないスピードを追求した仕様といえるでしょう。
・原因と注意点について
搭載されている 2台のハードディスク両方に多くのセクタ不良があり、RAID0 に「Error Occurred」が発生していました。RAID がエラーになっているのでハードディスクに正常にアクセスできず、パソコンが黒い画面で停止していました。ちなみにセクタ不良とはハードディスクの記録面の故障です。記録面に障害があれば読み出すことも書き込むこともできません。ただし記録面全面が一気に壊れることはありません。部分的な故障が大半です。
また RAID マシンに搭載されているハードディスクはロットが同じケースがほとんどで、つまり同時期に生産されたハードディスクのため、今回のように同時に壊れることも多々あります。RAID1 や RAID5 は理論上故障に強いのですが、同時にディスクが壊れてしまってはデータを保護できません。このように搭載されているハードディスクが全滅することもありますので、どの RAID 構成であってもバックアップをとって保護してください。
なお、注意点としましては、RAID0 のボリュームを削除してしまったり、とにかく手を加えないことです。もしうかつな設定の変更をしてしまうと、致命傷を与えてしまうことがあります。RAID0 はもともと難易度が高いため、致命傷を与えてしまうと救出率はグンと下がります。
またハードディスクに故障がありましたので、通電時間が長ければ長いほど、悪化させてしまう恐れがあります。ここは注意してください。ちなみに修復を試す場合はまずディスクの検査を行い、作業については何回も試さず1回だけ試してください(失敗する場合は何回試しても失敗します)。悪化させてしまうとデータ領域も壊してしまう恐れがあり重要なデータほどお早めにご相談ください。
新品のハードディスクを RAID0 で構築し、壊れたハードディスクからすべてを移行したところ再び起動するようになりました。保存されていたデータもアプリケーションも Windows も正常に戻せました。
作業期間:1日間。データ復旧とパソコン修理。
コメントを付けているため、すべての事例を紹介できませんが、もしお困りの際は実績豊富な当社へご相談ください! 関東エリアは出張作業もやってます!
>>データ復旧サービスのご案内
・ Windows、Mac、外付HDD、USBメモリ、ビデオカメラなどのデータ復旧
・ Server・RAID・NAS、SQL Server、業務用システムなどのデータ復旧
>>お知らせ
東日本震災復興支援特別割引サービス(中長期実施)のご案内
データ復旧の秋葉原オフィス 住所:千代田区神田佐久間河岸70 TEL:03-5823-1870