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スタートアップ修復後に「 Windows ブート マネージャー」のデータ復旧事例



現象:Windows ブート マネージャー画面で起動不可
OS:Windows7
メーカー:Sony VAIO
原因:ハードディスク故障
フラグ:データ復旧成功



・Windows ブート マネージャーの故障状況、症状などについて(お客様談)

お客様談:打合せから戻ると、マウスがクルクルマークになっていた。さらに何をクリックしても開かず、マウスだけが動いているようだった。仕方なく強制終了すると、今度はスターアップ修復がはじまった。30分待っても終わらないため、放置し帰宅することに。翌日出社するとスタートアップ修復が終わっていなかった。強制終了すると、今度は「 Windows ブート マネージャー」でスタートアップ修復すらできなくなってしまった。


・Windows ブート マネージャーの故障の原因と補足について


タイプ     : 経年劣化型
その他ポイント: 異常表示あり、誤作動あり、先頭のみ不良、S.M.A.R.T エラーを確認
コンディション: 普通

*用語については当社で勝手に名付けています。

ハードディスクにセクタ不良が発生していました。こちらの画像はハードディスクの SMART 情報です。なお、SMART 情報はハードディスクの記録であり、フリーソフトなどで簡単に調べられます。またセクタ不良とはハードディスクの記録面の磁力が劣化して弱くなる故障です。磁力が劣化し、弱くなってしまうと、その部分は読み出すことも書き込むこともできません。ただし記録面全面の磁力が一気に弱くなることはありません。部分的な故障が大半です。

セクタ不良はハードディスクの宿命的な故障です。書き込み時は磁力を変更するため、負荷がかかり疲労が溜まります。そしていつかは磁力が劣化して弱くなります。そこでおまけのセクタが準備されていて、セクタ不良が起きるとおまけを使います。「05:代替処理済みのセクタ数」がそのおまけですが、しきい値よりも現在値及び最悪値が下回っており、「ボロボロになるまで使い切った」という解釈ができます。また「C5:代替処理保留中のセクタ数」がカウントされており、おまけがいっぱいで保留にしているセクタ情報もあるという意味です。

このブログでの SMART 情報の公開は前回からはじまっており、件数が少ないので言葉での表現が難しいところがありますが… 実はこのように異常表示になるまでカウントされる場合、状態はむしろ良かったりします。ちなみにですが、延べ10万台以上のハードディスクを使ってきた Google さんの調査報告では、ここまで使い切れず、その前に動作不良を起こす(故障する)ということです。なお、このハードディスクを当社の作業マシンに接続すると「S.M.A.R.T. Failure」になります。Google さんの調査報告ではここまで使い切れるのは珍しいということです。

例えば、100件のエラーと 10件のエラーでは、10件のエラーのほうが状態として良い感じがします。ところがハードディスクの場合は解釈が変わります。 10件のエラーで動作不良を起こす場合、急激な悪化などむしろ状態として悪いために短命に終わります。そして 100件のエラーの場合は少しずつ経年劣化を起こした結果であり、数値としては悪いものの、のんびりと悪化が進行しているので状態としてはむしろ良かったりします。

ただしスターアップ修復まで動作していたものが、Windows ブート マネージャーまでと動作できる時間が短くなっています。もともとスタートアップ修復は Windows を直す機能です。悪化するということは誤作動の結果です。つまり余命期間ギリギリのところにありますので油断は禁物です。以上は数値上の補足です。数値では見えない状況については以下に進みます。

作業を進めてみると、先頭部分と言いましょうか、メーカーさん独自のシステムパーテーションや Windows などプログラム部分にしかセクタ不良はなく、データの状態は良好でした。また余命期間ギリギリではあるものの、よくある故障の範囲であり、1TB ハードディスクのクローンディスクの作成に 2 日かかりませんでした。なお、チェックディスクの跡が 3 ヶ月前から 3件あるのを確認しました。ちなみに C ドライブの直下に「found.」のフォルダが生成されます。3か月間かけて劣化が進んだことがわかります。

その他、このトラブルの概要については、以下のリンクでご確認してください。当社ホームページのコラムで解説しています。
「Windows ブート マネージャー」でパソコンが起動しないときの対処法
SMART Failure(SMART エラー)の原因と対処法
「スタートアップ修復が停止する、終わらない」の原因と対処法

・Windows ブート マネージャーのデータ復旧について

SMART の数値や余命期間ギリギリの状態でしたが、データが保管されているエリアに損傷はなく、お客様に救出したデータをご確認いただき無事OKでした。
作業期間:3日間。データ復旧。
コメントを付けているため、すべての事例を紹介できませんが、もしお困りの際は実績豊富な当社へご相談ください! 関東エリアは出張作業もやってます!


>>データ復旧サービスのご案内
Windows、Mac、外付HDD、USBメモリ、ビデオカメラなどのデータ復旧
Server・RAID・NAS、SQL Server、業務用システムなどのデータ復旧

>>「 Windows ブート マネージャー」の実績です。
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