現象:USB ハードディスクのデータが開けない
OS:なし
メーカー:日立製ハードディスク
原因:ハードディスク故障
フラグ:データ復旧成功
・外付けハードディスクの故障状況、症状などについて(お客様談)
お客様談:もともとパソコンのバックアップ用に使っていた。プロジェクトが終わった数か月に 1 回程度、パソコンから重要なデータだけをコピーしていた。先月パソコンが壊れ、データはこの外付けハードディスクにしかなかった。時間ができたので新しいパソコンへデータをコピーしようとすると「アクセスできません。ファイルまたはディレクトリが壊れているため、読み取ることができません」エラーが発生。ドライブは開けるが、フォルダが開かない。なんとか開けるフォルダもありコピーを試すが、ほんの少しのデータをコピーするのには一晩かかった。ほとんどのフォルダは、このエラーで開けない。・「ファイルまたはディレクトリが壊れているため…」エラーの原因と補足について
タイプ : マヒ型
その他ポイント: 異常表示あり(S.M.A.R.T エラー)、不良多数
コンディション: 悪い
*用語については当社で勝手に名付けています。
ハードディスクにセクタ不良が発生していました。こちらの画像はハードディスクの SMART 情報です。なお、SMART 情報はハードディスクの記録であり、フリーソフトなどで簡単に調べられます。またセクタ不良とはハードディスクの記録面の磁力が劣化して弱くなる故障です。磁力が劣化し、弱くなってしまうと、その部分は読み出すことも書き込むこともできません。ただし記録面全面の磁力が一気に弱くなることはありません。部分的な故障が大半です。
セクタ不良はハードディスクの宿命的な故障です。書き込み時は磁力を変更するため、負荷がかかり疲労が溜まります。そしていつかは磁力が劣化して弱くなります。そこでおまけのセクタが準備されていて、セクタ不良が起きるとおまけを使います。「05:代替処理済みのセクタ数」がそのおまけですが、しきい値よりも現在値及び最悪値が下回っており、「ボロボロになるまで使い切った」という解釈ができます。また「C5:代替処理保留中のセクタ数」がカウントされており、おまけがいっぱいで保留にしているセクタ情報もあるという意味です。
なお、前回の記事では同じように「異常」表示になっていました( スタートアップ修復後に「 Windows ブート マネージャー」のデータ復旧事例 )。そしてこちらの状態は悪くありませんでした。さらに、延べ10万台以上のハードディスクを使ってきた Google さんの調査報告では、ここまで使い切れず、その前に動作不良を起こす(故障する)ということです。ちなみに、このハードディスクを当社の作業マシンに接続すると「S.M.A.R.T. Failure」になります。Google さんの調査報告ではここまで使い切れるのは珍しいということです。状態としてまだまだ良い感じがしますが…
時間がまずおかしくなっています。「数か月に 1 回程度の使用」ということでお客様に確認しましたが、使わないときは電源すら入れていなかったということです。この値は異常です。セクタ不良の影響でハードディスクの機能自体がマヒしています。ここまで悪化が進行してしまうと、まともに応答しない(コントロールできない)など、状況はボロボロのケースが多いです。以上は数値上の補足です。数値では見えない状況については以下に進みます。
作業を進めてみると、こまごまとセクタ不良があり、クローン作成で 3 日かかりました。1TB で 3 日間は状況として悪い方です。「ほんの少しのデータをコピーするのには一晩かかった」とのことで、ここは悪化が進んでいたのかもしれません。なお、通電時間が長ければ長いほど悪化させてしまうこともあります。コピーに時間がかかるなど、挙動がおかしい場合は、作業を中止して、当社のようなサポート会社への依頼をご検討ください。
その他、このトラブルの概要については、以下のリンクでご確認してください。当社ホームページのコラムで解説しています。
・ 「ファイルまたはディレクトリが壊れているため、読み取ることができません」エラーの原因と対処法
・ 「ディスク構造が壊れているため、読み取ることができません」の原因と復旧方法
・ SMART Failure(SMART エラー)の原因と対処法
・「ファイルまたはディレクトリが壊れているため…」エラーのデータ復旧について
お客様に救出したデータをご確認いただいたところ、故障の影響もあって「たまに壊れたファイルがある」とのことでした。ただし重要な部分はしっかり生きているということで、無事OKでした。作業期間:3日間。データ復旧。
コメントを付けているため、すべての事例を紹介できませんが、もしお困りの際は実績豊富な当社へご相談ください! 関東エリアは出張作業もやってます!
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>>「ファイルまたはディレクトリが壊れているため、読み取ることができません」の実績です。
・ RAID1「ファイルまたはディレクトリが壊れているため」の復旧事例
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